技術部門紹介

「事前予防」でメンテナンスコストが割安に

プレス機はお客さまの生産活動の要であり、不具合によって甚大な支障をきたします。故障したら修理すればいい――というのが従来の業界の考え方でした。しかし、修理には時間もコストもかかります。また、応急処置的な修理であれば、また不具合が起きてしまう。これを根本的に改めようというのが、しのはらの「事前予防」の発想です。

日ごろからの装置の点検を継続的におこなうことで、不具合を未然に防ぐことができる。よしんば不具合が生じても、事前のデータが揃っているので適切な対応が可能なのでリカバリーも迅速。また、同様の不具合を繰り返さずにすみます。そうして結果的には、装置の寿命を延ばし、割安なメンテナンスコストを維持できるのです。

いまの安全性だけではなく、将来の安全性にむけての「健康診断」

現在ではプレス工程での事故を予防するための法令点検が義務化されています。その法令点検の規範となったのは、しのはらが独自に開発した点検方式でした。ただし、「義務化されているから点検する」という消極的な姿勢では、充分とはいえません。

私たちはそこからさらに進化しています。一般の法令点検ではプレス機械の「いま」を評価するだけですが、しのはらでは点検項目を大幅に増やして、「将来」故障を起こすかもしれない要因をも見定めています。プレス装置を人間に喩えるなら、いわば「健康診断」ですね。

現状復帰の修理ではなく、付加価値を創造する

私たちのサービスは、故障対応や安全性向上だけにとどまりません。製造方式や精度などの差別化要求に対応したキメ細かいカスタメイドも当社が得意とするところです。もとが旧式機であっても、最新の機構を組みこむことによって、新型機同等の性能を持ったカスタム機へと変身させることが可能です。また、複数メーカーの製造装置が混在するラインをスリム化したい、管理を標準化したいなどのご要望にもお応えします。

誰もがエキスパート――サービス・エンジニアの技術力

しのはらではお客さまごとに担当サービスエンジニアが、装置をユニットとしてではなく生産設備トータルで把握し、総合的なサポートをおこなっています。このサービスエンジニアの技術力研鑽にも、当社は並ならぬ力を注いでいます。

一般にプレス機械の修理は職人的世界で、業界で働いた年数(キャリア)がそのままスキルになりました。高齢の技能者ほど修理が巧いというのが常識でした。しのはらはこの常識をくつがえしたのです。当社のサービス・エンジニアは誰もがエキスパートであり、同じ品質のサービスをお客さまに提供できなくてはならないと考えています。それに基づいて、メンテナンスを経験と勘が頼りの職人技から、標準化可能なビジネスの領域へと脱却させました。具体的な数字をあげますと、当社は全社員180名のうち160名が新卒入社ですし、平均年齢は28歳です。この陣営で、熟練の修理屋さん以上のサービスを実現しているのです。

プレス機械についてのデータベースを作ることで社内の知識の共有化を推進。その一方で、手厚い研修の実施と仕事の機会を積極的に与えることで、全体的な技術力の底上げを果たしています。最近増えつつある海外での案件にも、特定の社員ばかりを出張させるのではなく、なるべく均等に機会を与えています。

あらゆる部品を図面化・製作する体制――「設計部門」と「加工部門」

お客さまの現場におうかがいするサービスエンジニアが最前線部隊だとすれば、それを後方でバックアップする社内体制も万全です。

しのはらには「設計部門」と「加工部門」が備わっており、現場からあがってくる多様なニーズにフレキシブルに対応できます。あらゆるメーカーのプレス機の部品について、スケッチデータから新規に図面を起こし、部品を製作することも可能です。

めざすは世界に名だたる「マイスター技術者集団」

先ほど当社のサービスエンジニアは誰でも同等の品質のサービスを提供できると述べましたが、それはあくまで前提であって到達点ではありません。当社のキャリアプランでは、まったく白紙の状態で入社した新入社員を、7年間で世界のどこでも通用するサービスエンジニアへと育てます。またリーダーシップについても、20代でチームの陣頭指揮を執るレベルに達します。
さて、その先のキャリアについてですが、たんに社内で昇格するだけではなく、社外的な評価が伴うべきだと当社では考えています。ドイツにはマイスター制度がありますが、日本でそれに相当するのは国家資格「技能士」です。現在は当社には一級技能士が14名(うち職業訓練指導員免許取得者が6名)おりますが、今後とも、とくにリーダークラスについては技能士資格取得を推進し、名実ともに「マイスター技術者集団」として世界に認められる企業を目ざしてまいります。


プレス装置ひとつひとつを手塩にかけ、新品同等に甦らせる

プレス装置がますます高度化し、お客さまニーズがますます多様化するに従い、点検技術も進化していかなければなりません。法的な整備を待つのでは遅きに失します。プレス装置メンテナンスのリーディングカンパニーである当社が先陣を切って、これまで業界を牽引してきましたし、これからもその役割を担っていきます。

たとえば、アメリカではいまだプレス装置の事前予防が浸透していません。「壊れてから直す」では生産効率の面でもコストの面でもデメリットが大きいのに、事前予防を担う専門企業が存在していないのです。また、法令点検の義務づけもまったくありません。そんな状況のなかで、頭を抱えた日系企業から「どうにかできないか?」と当社に相談がありました。これがしのはらが海外展開をはじめたきっかけです。

この日系企業のお客さまに対して、メンテナンス方法や機能向上のための改造について提案をおこなっていくなか、私たちは海外にも大きな市場があるとの確信を得ました。海外の修理業者に任せると丸ごと装置を交換しかないというケースでも、私たちが見れば部品を交換したり改造を施したりすれば新品同等に甦らせることができる場合が少なくない。そうした報告や提案を親身になっておこなう「日本人的なおもてなしのサービス」は、これからの時代、世界中のどこでも求められると考えています。

社会人としての常識と安全意識をベースにした人材育成

私は現在、人材育成にも携わっています。しのはらでは入社後の1年間を研修期間と位置づけ、社会人としての常識・マナーと技術的な基礎力の習得を徹底。社内の部署をひととおり回って、実際の業務に従事することでそれぞれの仕事の意味を身をもって経験してもらいます。それと同時に社内の人間関係づくりができるので、正式に配属になったあとも組織の垣根を越えた相談や連絡にも役立ちます。

技術面ではなによりも「安全」意識の徹底に重きを置いています。「安全」こそプレス装置に関わるあらゆる技術の根本をなすものであり、これを習得することが技術者として成長する早道になると私たちは考えているのです。当社は社内工場に30トンのクレーンをはじめとする大型装置があり、お客さまの現場を想定した訓練が可能です。

サービスエンジニアの武装、それは事前の徹底した準備

私たちサービスエンジニアは、お客さまのもとでプレス装置の点検・メンテナンスを担う「最前線」技術者です。いきなり現場に飛びこむのではなく、周到な事前準備をおこなうのがしのはらのスタイル。装置に関する各種データや技術的な部分についてはマニュアルを参照し、安全については「危険予知ミーティング」によって徹底をします。事前の確認を怠らなければ、お客さまごとに異なる状況にもスムーズに対応が可能。準備万端に整えて「1回ですべてを完了する」――これが私のポリシーです。

世界中で求められる「日本人的なおもてなしのサービス」

当社のお客さまが海外へ進出されていることもあって、私たちサービス・エンジニアも海外の案件に携わる機会が増えています。「現地の修理業者に頼んだが満足する結果が得られなかった、しのはらに任せれば日本と同等のサービスを受けられるので安心だ」と言ってくださるお客さまも少なくありません。私自身これまでに、地球の大陸で上陸していないところがない(南極大陸を除いて)というくらい、多くの経験を積むことができました。

海外の案件の場合、日本と現地を何度も往復するわけにはいきませんので、とくに事前準備が重要になります。また作業期間もタイトな場合がほとんどですので、工程の見きわめ、技術の応用力、とっさの判断力も問われます。

それ以上に大切なのはコミュニケーション能力。と言っても、語学力のことではありません。海外案件ではテクニカルアドバイザーもしくはスーパーバイザーという立場で参画することが多いのですが、私はできる限り現場に入って共同作業をするようにしています。技術用語はもともとが英語のものも多いですし、作業についてはたいていが身振り手振りで通じます。「現場の人たちと息を合わせること」で、よりキメの細かい作業ができるのです。

当社が標榜する「日本人的なおもてなしのサービス」は、世界中のどこへ行っても有効ですし、現場の人たちからも管理者からも歓迎されます。それがリピート案件の多さにもつながっています。なお、海外では外国メーカー製のプレス機械に触れることも多いのですが、そこで得られた知見を社内の「マニュアル」へとフィードバックして、情報共有をおこなっています。

プレス装置の看護師でありドクターとして

人間の健康のために「健康診断」があるように、また自動車の安全のために「車検」があるように、プレス機械にも「点検」が必要です。壊れたから直せばいい、古くなったから装置丸ごと買い換えればいいではなく、壊れないように点検する、古くなるまえに部品を交換して長持ちさせる。これが当社の業務の原点です。「点検」が入口になって、プレス装置についてのさまざまなトータル・ソリューションが可能になるのです。ふたたび人間に喩えれば、健康診断をする看護師がいて、病気を治療したり健康面のアドバイスをするドクターがいる。しのはらはこの看護師とドクターを兼ねた存在です。

そのため私たちは、ただ決められたことを点検するのではなく、「将来的な修理」をも視野に入れながら点検をします。それが、私たちの考える「プリベンティブメンテナンス(=事前予防)」なのです。専門家として的確な点検や提言ができるのはもちろん、それをわかりやすい言葉で説明することにも努めています。

業界全体の安全意識をさらに高めるために

「事前予防」の意識付けを当社内はもとより、業界全体に広めていくこと。これが私の使命だと思っています。現在は、中央労働災害防止協会が主催する「動力プレス機械特定自主検査指針研修会」で講師を務める一方、お客さまむけの「プレス機械構造規格」の講演もおこなっています。
「法令点検が義務づけられているからその範囲でおこなう」という考え方ではなく、プレス業界から事故と故障を根絶するという高い理想に向かっていくべきです。そのためにいかなる事前予防がなされるべきか、それを業界全体で考えてもらえるよう、私も微力ながら啓蒙に努めてまいります。

リビルト・ラボプレス点検・修理システム

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